帰りたい

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***** 私と穂乃花はカフェに入り、 (いくさ)から帰還した武士のようにくたびれながらコーヒーを啜った。 「……なんか……疲れた……」 私が呟くと、穂乃花も疲れた顔をして頷いた。 「そうだね……それにしても私達だけほんとアウェーだったよね」 ほんとにそうだった。 7年前まで、あれだけ毎日のように一緒にいた仲間なのに。 イラストレーターを目指そうと思ったのもあの頃から。 順子は、そんな思い出深い青春時代を共に過ごしてきた。 だから年月が経っても、”イラスト部の大切な仲間”という想いは 順子も同じだと、当然のように思っていた。 でも違った。 順子にとって、イラスト部で過ごした時間も、 私と穂乃花の存在も、 この7年で、おまけぐらいの思い出になっていったのかもしれない。 「……順子にとっては、 大学時代の方が充実してたのかな……」 穂乃花は「確かに……」と寂しそうに返事をした。 「あっ、そういえば、今日スタッフの人が撮ってた写真、 アプリで見れるみたいだよー」
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