帰りたい

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「えー、そうかな〜……」 正直、どうして母がそんな風に言うのか、 この時点では、まだわかっていなかった。 ***** 順子の結婚式の当日ーーー。 花嫁でもないのになぜか緊張している私。 この日の為に購入したドレスで参上。 長袖のワンピース風で、色はライトグリーン。 高級感のあるレース仕立てに、 表面は細かいラメが光っている。 結婚式会場のエントランスに足を踏み入れると、 ロビーのソファーに座っている穂乃花が私に気づいて手を振ってきた。 私がはっきりとした顔立ちなのと対照的に、 穂乃花は薄い顔立ちで、地味な紺色のドレスを着ている。 ちなみに穂乃花も結婚式にお呼ばれするのは初めてとのこと。 「あ、凛子〜! そのドレスすごい綺麗〜!」 「へへ、結婚式呼ばれるの初めてだし、 せっかくだから新しく買っちゃった」 「めっちゃお洒落〜! いいじゃーん!」 「そぉー?」 満更でもないのが顔に出ているのが自分でもわかった。 我ながらドレス選びは大成功だったと思う。 ショップ店員さんと色々相談し合って決めて良かった。 その時、私達の側を横切って行く人に目がいった。
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