2人が本棚に入れています
本棚に追加
少し離れたところに、前島くんを発見した。
前島くんも私に気付いたようで、
軽く手を上げてきたのでドキッとした。
私は小さく手を振ってみた。
「それでは、これからブーケトスを行います!
みなさんどうぞ前の方へ!」
司会者が呼びかけている声がぼんやりと聞こえていた。
なんだろうさっきの感じは。
まるで内緒で社内恋愛してる恋人同士みたい!
ぐふふとニヤけそうになるのを堪えた。
ふと、頭上に迫る影に気付いた。
ブーケだ!
ブーケが宙を舞って私の頭上に……飛んできている!?
「えっ、えっ! あーっ!」
なんとも情けない声が出てしまった。
反射的に両手を真上に上げ、後ろにのけぞった。
だが届かない!
ブーケは私の頭上を通り越して、
真後ろに落ち……なかった。
私の真後ろにいた女がブーケをキャッチしていた。
その女と目が合った。
「あ……」
最初のコメントを投稿しよう!