帰りたい

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***** いきなりドッと疲れながら 披露宴会場の入り口前まで来た。 入り口前のテーブルに置かれた、 似顔絵入りのウェルカムボード。 ……手書きの似顔絵……? どこかに発注したのだろうか。 言ってくれれば描いたのに……。 なんだか嫉妬のようなモヤモヤとした気分になった。 「あ、写真だ〜」 穂乃花がそう言って指を差したのは、 ウェルカムボードの隣にある、沢山の写真が貼られたコルクボード。 写真に映っているのは、 順子以外、知らない顔ばかりだ。 「……みんな知らないね……順子の大学の友達かな?」 穂乃花が首を傾げて言った。 順子が大学で、ダンス部に入ったことはSNSで知っていた。 新郎も、そこで知り合ったらしい。 お揃いの衣装を着たグループ写真もあるから、 穂乃花の言うように、大半は順子の大学の友人なんだろう。 高校の時まで、細々とイラストを描いていた時とは違い、 そこには、弾け飛ぶ笑顔で青春を謳歌している順子が映っていた。 「あっ」 思わず指を差した。
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