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そろそろ帰る時間。
「すみません、長居してしまって…」
「構わないよ。よかったら、また会いに来てください。うちは、いつでも大歓迎ですよ」
「はい。梓、帰るぞって、おい!そろそろ、離しなさい」
鷹嶺に抱きついて、離れない梓。
「帰りたくない…」
「梓、俺は、ここにいるから。来たきゃ、いつでもおいで」
「うん!」
帰る姿を見えなくなるまで、見ていた。
「よかったな。珠葵のこと、紹介したのか?」
2人して、顔を赤くする。
「はい。しました。これからのことも、全部話しました。絢世さん、俺は、一生かけて恩を返します。珠葵のことも、ずっと一緒に、傍にいます」
「おう。頼むぜ」
「はい」
一度は、道を外した人間。
それでも、子どもの部分が残っていた。
引き取って、仕事も与えつつ道を少しずつ取り戻した。
今なら、もう大丈夫だな。
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