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お風呂に入って、自室に戻ると鷹嶺が窓の外を眺めていた。
「鷹嶺」
「おう」
チャリと片耳に付けた、三日月のピアスが光る。
「お風呂出たよ」
「何、緊張してんの?」
「ふぎゅ!別に緊張してなんか…」
ぎゅっ。
お風呂の後の熱と鷹嶺から伝わる熱が混じる。
トクットクッと心臓の音が心地いい。
珠葵の顔をじーっと見つめる。
「あ、あんま見ないでよ」
「珠葵の顔、イケメン過ぎて好きだわ。もっと早く知ればよかった」
3年前、母親を病で亡くした。
絢世に引き取られて、当時クラスメイトだった鷹嶺に眼鏡を取られた。その眼鏡は、伊達眼鏡で顔を隠すためにかけていた。絢世そっくりのイケメン顔で、鷹嶺がそれを見て惚れてしまった。
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