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そう来たか。
「他は?」
「現状、聖羅様がいいかと。あとは、聖羅様がどう思われているか…」
「私は、いずれはこの組の、長になりたいと考えています。叔父様のような立派な組長に」
と聖羅。
「そうか。近兼、会議中だが少し手合わせしてもらいたい」
「ええっ!?」
「組長と近兼が?いやいや、無理だろ」
ざわつく。
「絢世、血迷ったか?近兼とお前じゃ、無理だろ?」
「俺ではない。うちの可愛い狐を相手にしてもらいたい」
「!」
狐の仮面を被った人は、いつの間にか前に立っていた。
「分かりました」
ドカッ!
足を引っ掛けられ、そのまま背中から落ちる。
「痛っ…」
「近兼さん!大丈夫っすか?」
「ああ、大丈夫だ…?」
自分を蹴落とした狐は、手を差し出した。
公彦は、狐の手を借りて立ち上がった。
「ありがとう。強いな、俺もこんなんじゃまだまだだな」
「ふー、普通に紹介すればよかったんじゃないですか?組長」
と狐が喋る。
「しゃ、喋ったー!」
「そ、そんな驚くことですか?」
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