174人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜。
絢世に呼び出された珠葵と鷹嶺。
「鷹嶺、怪我の方は、大丈夫か?」
「はい。あの、すいませんでした!」
え?
「珠葵が怪我すると思って、飛び出してしまいました」
怒られると思った。
「ふふっ、守ってくれてありがとうな」
『ありがとう』なんて、一生言われない言葉だ。
嬉しくて、なんだか、くすぐったい気分。
「いえ…」
「それから、珠葵」
「はい」
「会議で、あんなこと言ったけど…」
「お父さん、私はお父さんの…白塚組組長の娘よ。ただ、頼られるいい子も優等生も捨てた。この世界の、この組のやり方を教えてください。次期組長になるために」
やっぱり、すげえな。絵美、俺たちの娘は強えよ。
「分かった。でも、お前ら学生なんだから、高校卒業までは、ちゃんと青春謳歌しろよ?」
「はい!」
「それでだ、2人に課題を出す。高校卒業までにやればいい」
なんだろ?
2人は、頭の中で色々考えた。
「高校卒業までに、友達1人は作れ」
「えーーーーー!」
意外な課題を出されてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!