第1話 優等生と不良少年

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「珠葵ちゃん、家賃のことはいいから。ゆっくり心が落ち着くまでいなさい」 「ありがとうございます。大家さん」 ぽっかり空いた穴。 それをどうやって埋めよう。 絵美と過ごした部屋で、座り込んでしまう。 「遺品整理しないと…」 咄嗟に手にした、アルバム。 そこには、絵美と過ごした思い出の数々。 負けるな…泣くな…。 1人ってこんなにも弱いの? ハラッと落とした写真。そこには、赤ん坊の頃の珠葵と絵美と一緒に映る男性。 生前聞かされていた。 『コイツ?あんたのお父さんよ』 唐突なカミングアウト。 『この人が!?』 『超綺麗な顔してるっしょー?今は、会うことできないけど、必ず迎えに来るって約束したからさ。私に何かあったら、そいつ頼りな』 自由過ぎる人で、うっかりなのは、日常茶飯事。 それでも、大好きな母親だった。
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