第4話 妹

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第4話 妹

夏。熱い日差しが、人を照らし。 アスファルトの熱が、人に当たる。 上と下からの熱に挟まれる。 「あっつーい」 マンションのベランダで、洗濯物を干している女性がいる。 五條和美(ごじょう かずみ)。専業主婦をしつつ家計を支えるため、自宅でデザインの仕事をしている。 小学生の娘と大企業に務める夫と3人で暮らしている。 ピンポーン 誰かしら? インターホン越しで、誰かを見る。 大工姿の女性が立っていた。 ガチャとドアを開ける。 「未和さん!」 「よお!和美、元気か?」 「いつも、すみません」 「いいっていいって、気にすんなよ。それより、絵美さんに会ってるか?」 「いえ…あの、よかったら上がりますか?」 「大丈夫?」 「はい、大丈夫です」 「それじゃあ、ちょっとだけ」
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