第4話 妹

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「お母さん、ただいま」 「葵、おかえりなさい。鍵かかってなかった?」 「うん。鍵閉めないとダメだよ」 「ごめんね〜」 五條葵(ごじょう あおい)。和美の娘。小学5年生。 「じゃあ、帰るわ」 「もう、いいんですか?」 葵にも軽く挨拶して、玄関のドアを開ける。 「和美、何かあったら絶対言えよ!」 「うん!ありがとう」 何かあったらか…。充分助けられてるのにな。 その日の夜。 「葵、学校どうだった?」 夫 五條慎司(ごじょう しんじ)が仕事から帰ってきて、夕食の時間。 「んー、いつもと一緒。それより、今日、お母さんのお友達が来てたよ」 ゲッ! 「ちょっと、葵…」 「珍しいな、和美に友達来るなんて」 「う、うん。たまたま、こっちに仕事で来てたみたいで…」 「なんか、お母さんの友達の割にはガラ悪かったよ」 「葵、もうやめなさい」 夫にも子どもにも、昔の話をしたことない。 ましてや、姉がいることも言ってない。両親が嫌がるから。
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