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「ただいま!」
「あなた、葵も、どうしたの?」
和美に、先程の出来事を話した。
葵は、あまりの恐怖に慎司にしがみついて、離れない。
「うそ…近づかないって約束したのに…」
「和美、教えてくれないか?お姉さんって、いるのか?」
「いる…勘当されているけど…」
「昔、何があったんだ?結婚する前から、何か不安にしているのは、気づいていたよ。俺でよきゃ力になる。愛する妻が、独りで困っているのを放っておけないだろ!」
本当は、言う気無かった。
「昔、ヤクザの家に嫁ぎそうになったの。表向きは、外資系企業の名前だったから疑いもしなかった。その頃、暴走族に入っていた姉は、勘当されて離れていたけど内緒で会っていたの私。その事伝えたら、やめとけって。裏の顔を教えてもらって、その組織は姉たちが潰したの。二度と近づかないこと、そして、潰すのに協力したヤクザの家に姉が嫁ぐことに…両親は、姉のこと話すの嫌がるから、伝えなかった。ごめんなさい。怖い思いをさせて」
そんなことがあったのか。
「教えてくれてありがとう。今日だけ休むよ。葵もこんな状態だし」
「うん。本当にごめんなさい」
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