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我慢できず、思わず喉から声が飛び出した。呉羽さんにどう思われてもいい。澤野さんがわたしの腕をそっと抑えたのがわかったけど後には引けない。胸を張って頑と立ちはだかるわたしに彼がふと反応を見せた。
こっちに振り向いた目がわたしを捉えた。ほんの僅か、その眼差しに色がついたような気がした。…微笑み、みたいな。
「…では、行って参ります。大丈夫ですよ、…心配しないでも。僕のことは気にしないで。眞珂さん」
《第10話に続く》
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