sei

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「お姉ちゃんが…人前で口に泡つけてた」  帰りの車で佑香がまだ信じられないという風に呟く。 「本当のところは本人にしかわからないが…今までオダミカが好き、オダミカに会いたいという人は一緒に写真撮ってやっぱり実物も可愛いねっていう人ばかりだったんじゃないかな。それが世良さんは違っていたから素を出してみようと思ったんじゃないか?今後の事は誰にもわからないけど…」 「そうね。モデルを辞めることを考えているのかなって感じもしたね」 「ちょっとそんな感じだったな。同じ業界にいる人間以外と付き合う…何も恋人という意味でなくても交流することが美香に必要な時だったかもしれない」 「うん、すごく競争の激しい世界みたいだからね」  レジデンスの駐車場に到着し 「ここまで帰ってきたけど、近くで食事する?」 「ご飯はあるから、尊さんのチャーハンと私のスープでいかがですか?」 「決まりだな」 「お願いしまーす」  二人で手を繋ぎ部屋へ帰る。幸せな瞬間だ。 「ビールも冷えてるから泡つけてもいいよ、尊さん」 「佑香がキレイにしてくれるならいっぱいつけるが?」 「それはどうかな?ただいま、おかえりなさい」  クスクス笑いながら先に玄関に入った佑香の頭を、後ろから両手でぐしゃぐしゃに撫でた。 「今日もお疲れ様、くくっ」
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