38人が本棚に入れています
本棚に追加
/164ページ
episode 12
私はあれから一階にある購買に向かった。あんなことがあったのに、ヤツの授業なんて受けたくない。まだ首の後ろがまだじんじんする気がして、私は本当にこれは許せない事案だと思った。
購買でプリンを買って、中庭で過ごす。そして英語の授業が終わるころ、善光先生に階段でかち合わないようにと、校舎の外側についている非常時に使うらせん階段を使って、教室に戻ったのだ。
「ああ来たよ。瑠衣は? って訊いたら竹っちとデートだなんて言うから、クラスの女子がぎゃーってなってた。あれは面白かったなあ」
「あいつなにしてくれとんねん」
「あはは。ふつーに英語だったよ。最初の印象が悪かったからさあ、みんな最初は引いちゃってて。でも、授業は上手いし、そのうち面白い先生だあーってなって、女子が騒ぎ始めて。ほら、いつものあそこら辺が彼女いますかーってな」
はいはい、いつものあそこら辺ね。
「んで、付き合ってるのはいねえけど好きな女はいるって、ワイルドに宣言しちゃったもんだからあ、これまた女子どもがあ、ぎゃーってなってえ」
くつくつと笑い出す。よっぽど面白かったんだね、エミりん。
「んでその反面、男子な。こいつうぜえなってなってえ。あはは、あはは、はーおなか痛え。でも英語喋れたぞ、あいつ」
そりゃ教師なんだから当たり前っすよって、私にツッコミを入れさせておいて、エミりんが更にがははと笑うもんだから、またつられて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!