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episode 1
いつものように目が覚めた。カーテンの隙間から、朝の光が一筋差し込んでいる。
スマホのアラームは鳴っていないから、まだ朝食を摂る時間ではないはず。
「あふ」
眠い。
(……二度寝しよ、)
学校はあるが、二度寝を決め込んで、目を閉じる。と、すぐに睡魔に襲われた。うつらうつらと夢の中へというところで、身体に異変を感じて、神経がピリッと冴えた。
「っ⁉︎」
そういえば私、いつベッドに入ったっけ?
私は慌てて目を開け、飛び起きた。右手で跳ねのけた布団が、そのまま宙を飛んでいった。舞った布団は軽く天井に当たり、そのまま床にバフっと落ちた。
布団が描いたそんな大げさな軌跡を見て、私は脱力&確信。
またやってしまったと。
ベッドから足を下ろし、床に落ちた布団に足を取られながらも、スタスタと軽快な足取りで自室を横切っていく。
あのことがあった日は、いつもこうだ。筋肉ムキムキではないのに力持ちになる。それどころか、身体が勢いよく動き過ぎてしまう。
ドアノブに手を掛けぐっと押すと、メキメキと嫌な音をさせて、ドアがはずれた。
「え」
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