episode 8

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episode 8

辺りを見回すと、皆んなと目線が合った。注目の的。もちろん横暴男とも目線がバッチリあっています。 なんでなん? 「え、わ、私……?」 顔も身体もみるみる緊張で強張っていく。いやいや何かの間違いでしょ。私じゃないでしょ。だって初対面だよ? 初対面でこれはない。 「おーい、おまえのことだろ! 早く来い、このボケが!」 初対面でこれはねえだろうが! そうは思うが、机の上にバシンと日誌を叩きつけたそのキレのある音にビビってしまう。もとよりクラスだって、ビクッと電流が走ったような緊張感に包まれている。 私で間違いないようなので、とりあえず立ちますが。 「のろのろすんな早くしろっ! あ、お前らは次の英語、自習にすっから。適当にやっとけ」 適当。適当な大人め! さっさと教室を出ていった。 「ちょっと瑠衣、大丈夫なの?」 エミりんが心配そうな顔で見上げてくる。 「なんかよくわかんないけど、とりあえず行ってくる」 私はその後を追うようにして、教室のドアから廊下へと出た。すると男はそこで腕組みをして仁王立ちで立っている。 「早く来いって言ってんだろ」 腕をぐいっと引っ張られた。 「ちょっと! 痛っ」
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