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着いたのは外壁がレンガ調の、外観からしてオシャレなお店。どうやら今日は定休日らしく“CLOSE”の看板が立て掛けてある。
そのお店のドアを躊躇なく開いた加賀。その後ろに続いて中に入れば、ヴィンテージな空間が広がっていた。
テーブル席がいくつかとカウンター席があって、そのカウンター席の奥にはお酒がずらりと並んでいる。
ふとテーブルに置いてあるメニュー表に視線を移せば、美味しそうなスイーツや珈琲のメニューが充実していた。ここがカフェバーだということは事前に聞いていたけど、特に女性に人気そうなお店だなと思った。
「加賀さん、お久しぶりです。ご足労いただきありがとうございます」
店の奥から出てきた人物が、私達に近付きながらそう言葉を紡ぐ。爽やかな空気を纏った彼は、間違いなく松永さんだった。1年半前と雰囲気はあまり変わっていないからすぐに分かった。
今日は定休日のため不動産の方の仕事をしていたのか、松永さんはスーツ姿だ。
「お世話になります。こちらこそお忙しい中お時間を割いていただきありがとうございます」
私の一歩前に立つ加賀が会釈したのに合わせて、私も頭を下げる。それを見ていた松永さんは「安達さんも、お久しぶりです」と、ふわりと目尻を下げた。
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