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でも仕方ないよね。彼氏が出来ちゃったんだもん。
彼氏ってことは、私にはないモノ持ってるじゃん。それはもう私じゃ無理だし。
浮気したの?期間被ってる?って、聞くべきだったのかもしれないけれど、そこはなんかもうどうでもよかった。なんなら「どっち側?」って聞きたかったけど、あの人の性格からして、多分…うん。
女々しい人だとは思ってた。私と長く続いたのも、どちらかというと常に私がリードしていたからだと思う。
大学卒業寸前、合コンで出会った二歳年上の銀行員。今は少し離れた街に転勤になって、あまり会えなかったのがダメだったのかな。6年って結構長いのにな。終わるのって、ほんと簡単。
まぁ、愛されてる感じはもう何年もなかったけど。でもそれは、私も一緒。彼のことを好きというよりは、一緒にいるのが義務みたいになってた。
彼を選んだ理由だって、浮気をしなさそうという単純なもの。でもまさか、男の影があるなんて思わないじゃん。
「でも振られた割には、そんなに落ち込んでないよね?」
「…そう見える?」
「うん。いつも通りって感じ。やけ酒するのかと思えばリアルゴールドだし」
「仕方ないじゃん。お酒飲めないんだから」
本当は飲みたいよ。こんな時くらい飲んで楽しくなってみたい。けど私は、ちょっとでも飲んだら顔が赤くなって暫くしたら意識飛んじゃうくらいお酒に弱い。だからこうして、ソフトドリンクで我慢してる。
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