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───もしかして、昨日のことを聞くなら今がチャンスでは？
ふと、加賀と2人きりになったことに気付いた私は、ごくり、と唾を飲み込むと、再び加賀に視線を向けた。
すると、どうやら加賀はずっと私を見ていたらしく、すぐにぱちっと目が合って、思わず息を飲んだ。
「あ、あの…」
「……」
「昨日は…どうもありがとう…迷惑かけてごめんね？」
加賀の様子を探りながら、ぎこちなく言葉を紡ぐ。
けれど表情を全く変えない加賀を見て、それに若干焦りを覚えつつも、続けて口を開いた。
「朝ごはん、加賀が買って来てくれたんだよね？とても美味しく頂きました。メッセージもありがとう。返せなかったけど、ちゃんと読んだよ。若干二日酔いだけど、加賀がくれたお味噌汁飲んだらだいぶ回復した。ほんと、何から何までありがとう」
緊張からか、矢継ぎ早に喋る私を加賀はじっと見下ろしている。その射抜くような瞳に耐えきれず、視線を逸らすようにぺこりと頭を下げた。
「…あぁ、うん」
すると加賀は、たった一言そう零すと、さっさと私に背中を向けて歩き出す。「…あれ」と、ひとり取り残された私は、ぽかんと彼の後頭部を見つめた。
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