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「今度からはそういうのも全部報告すること」
「…でも、」
「仕事だから、とか言うなよ。嫉妬されんの、嬉しいし。てか黙ってても隠せないと思うけど」
「…確かに」
「てか、依茉がこうして隠さず話してくれたことが、素直に嬉しい」
「…うん」
「俺ら、ちゃんと前に進めてるよ」
「……じゃあ、これからも、頑張って…話す」
うん、と満足気に頷いた奏人は、再び私の唇を塞いだ。唇を割って入ってきた舌が、歯列をなぞり、私の舌を絡めとる。
衣擦れの音とともに私のくぐもった声が漏れて、くらくらしながらも必死にそのキスを受け入れていれば、今度は奏人の手が服の中に侵入してきた。
「…するの?」
「うん、ダメ?」
「…コーヒー、冷めちゃう」
「……後で俺がレンジであたためる」
「……」
「だから許して」
───許さないわけがない。だって、実は私も奏人に触れたかった。
嫉妬した分、気持ちが強くなる。自分から唇を重ねれば、奏人はそれをOKのサインと取ったのか、いつもより激しく私を求めた。
今日一日、私もずっとこうしたかったんだよ。なんて、流石に言えない。
でもこれは、隠してもいいやつだよね?
fin.
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