8.堂道、フォーエバー!

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 セックスは、どんどん羞恥心と遠慮がなくなっていき、最後はただ欲のままに、抱き合った。 「体、気持ち悪ぃ、けど、もう、無理だな……」  最初から今まで、一度もシャワーもせず、二人とも今や汗と体液にまみれている。  ようやく堂道はごろんと体の向きを変え、そんな状態の身体で、同じ状態の糸の身体を抱きしめた。  物語的に美しくないが、本能的で、エロくはある。  しかし、この部屋と照明のなかにあっては、これもふさわしい姿だと糸は思う。  そのためだけの場所なのだから。 「糸……」  返事はできなかったが、どうにか自身を包む身体に交差させるように腕をまわす。  さすがに、もう今日はこれで終わりか。  満ち足りたような、足りないような、ホッとしたような、切ないような。 「糸」 「はい」と頭の中では返事しているのに、現実がどんどん離れていく。 「糸、愛してるからな」 「わたしも」  そう言ったつもりが、それはきっと言葉になっていないだろう。それでも抱く腕には力を込めたつもりだ。伝わっていなくても伝わっているはずだし、それ以上に、堂道はもうそのことを知っている。
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