8.堂道、フォーエバー!

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「糸が年上好きとは知らなかったよね」 「いつも同い年くらいの男の子と付き合ってるイメージだよね」 「えー! ダンナさん、意外とオジサンじゃないよー」 「えぇー、コワモテだよー。糸、大丈夫なの?」 「なあなあ、庭にバスケのゴールあったぜ!」 「マジか!? イキな結婚式じゃんー」 「ねぇねぇ、結構、俺のおかげってトコあると思うんだよね」 「ああ、このあたしがまさか堂道の結婚式に友人知人として参列することになるとは……」 「そんなことを言うなら、私だって、部長の弟分と結婚することになるなんて思ってもみなかったよー」 「二回目なのに、こんな若くてかわいい嫁さんゲットとか羨ましすぎるだろ」 「堂道、自分が『部下に手を出す上司』になってるのな、ウケる」 「ゲシさんの幸せ、本気で嬉しい」 「アニキ、マジかっけぇ!」 「部長、かっけえ!」「同じく!」 「なあなあ、これ、俺と入れ替わってたりとかしたらおもしろかっただろうね?」 「夏至くんの衣装、前のより似合ってるわぁ」 「夏至、今度こそ、糸ちゃんと幸せにね」  招待客は友人だけ。  誓いは人前で、こぢんまりとしたガーデンパーティー。  場所は東京郊外の、山間にある庭付きのレストランだ。 「おい! おめーらと糸チャンのオトモダチぃ? 全部聞こえてますカラー」  音楽が鳴って、部屋の扉が開く。  そこで待っていた糸の笑顔は晴れやかで、堂道はほっとした。  義兄のアイスのおかげか。  片頬で笑う。 「やべぇ、幸せだわ、俺」  終
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