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(でも――聖さん、オレはっ)
「クウゥ~ン、ワウン!」
真壁は涙をこぼして首を垂れるが、徐々に我が身に起こっている異常に気付いていた。
視界に入る位置が妙に低い上に、自分の手が人間のそれではない。
短毛にびっしりと覆われた手など、人間の手の筈がない。
そう、オレは再び――――
(また犬の姿になっているのか!)
だが、前回犬になった時よりも、目線の位置が高い。
不思議に思っていたら、聖が朗らかにその答えを口にした。
「しかし、大きくなったな、ワン公! 前はこぉんなに小さな仔犬だったのに……。もうすっかり、身体は大人だな」
「ワン!」
そう、真壁了は立派な成犬に成長し、再び聖の前へと現れたのであった!
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