4/7
前へ
/352ページ
次へ
仕事に辛いことは付きもの。泣きたくなることがあるのもわかる。 でも、だからといって、周りにわかるようにこれみよがしに泣くのはよくない。 私だって、彼女を苛めて泣かせたいわけじゃないのだ。 仕事をする中で、私は彼女の発想力を評価している。それをもっとうまく表現して形にできれば、彼女の仕事の幅はもっと広がる。 そう思うから、少しキツく聞こえる言葉かけをすることもある。 だけど、私の意図はきっと微塵も彼女に伝わっていない。 彼女から見れば私なんて、小言ばかり言う、年だけ重ねた嫌な上司なんだろう。 私は彼女から視線をはずすと、小さくため息を吐いた。
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

514人が本棚に入れています
本棚に追加