好きだよ(嘘)

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 夢はなんでもアリだから好きだ。しかし最近、僕の夢のレベル(ダメ度)が上昇傾向で少し気になってる。  リアルの僕はチビでヲタクの陰キャ。高い声で細身で天パ。ミントブルーのパーカー着てたらナンパされかかった。ああ剛毛のヒゲが欲しい。  その僕がイケメンセレブ帝王DKとして君臨したり、妹(いないが)や先輩後輩にモテモテのエロゲライフに溺れたり、恥ずかしい夢ばっか見るようになったんだ。    夢は欲望の反映と聞くけど本当かな。僕は事実モテないけど別にモテたくもないし、好きな女子もいない。こんな夢を見る理由はないはずだろ。昨夜見たのは、記憶喪失の超美少女をアホな力技で救う夢。夕焼けの中で華麗に恋するクライマックス直前で、お約束のように目が覚めた。  残念な朝。1時間目から数学で2倍残念だ。こんな的な凶悪な授業をする以上、僕がまともに起きてられると思うなよ。ゆるりと舟を漕ぎ夢にダイブしかけた時、シャツの背中に数度鋭い衝撃が走った。 「()った!なんだってー⁉︎」  教室がドッと沸く。 「今の寝起きヴォイス……三木(みき)君じゃないよね?」  美人で嫌味な田中先生。こりゃ怒ってるな。 「寝てたら急に、すみません」 「あ”あ”ん?寝て?何?」  皆、笑いを堪えてる。 「ちが、違うですよ?ネーテいやノート取ってたら急に背中が」 「……そ。わかったから金輪際寝るなよ」 「はい金輪際寝ません」  居眠りバレバレと爆笑が起きる。一番大笑いしてんのは……
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