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「っん!あ、まって。くるしっ。」
「っごめんね。俺、がっついちゃって。・・・っゆっくりしよ。」
ドアの閉まる音が合図かのように隙のないキス。
「ちが!あの、僕、ちゅーはじめて・・・。」
恥ずかしかった。散々、恋をしてきただけに・・・。
「初めてなの?あの人とは?」
「してない。ちゅーはしてくれなかったから・・・。」
「・・・そっか。じゃあ、俺が初めてか。」
「めんどくさくない?」
僕は承和さんの服をぎゅっと握った。
「どうして?嬉しいよ。
君の初めてがもらえて。もっと初めてのこと、たくさん見つけたいな。」
承和さんは僕の頭をそっと撫でた。
僕は涙が出た。
こんな素敵な人が僕のコトを好きになるなんて信じられない。
「大丈夫?嫌だった?」
「違う・・・。嬉しくて。」
承和さんは舌先に僕の涙を乗せて
「しょっぱいね。」って綺麗に笑う。
「キス、してもいい?」
「ん。して。」
承和さんは、唇を指でそっとなぞって、触れるだけのキスをして、僕の息継ぎで優しく唇を噛んでそっと舐めた。
それから
「舌出して。」 って優しく呟ぶやかれて僕はそっと舌を出す。
承和さんの舌先が、探索する。
承和さんを待つ一瞬、間を通る空気が冷たく感じた。
気持ちよくて少し目を開けると、熱を帯びた目と合う。
すき、好き、大好き。
キスだけでこんなに幸せ。
その後は一緒にお風呂に入った。
鏡に映った僕は、オレンジになってた。
「・・・きれいな色・・・。」
僕は鏡に手を伸ばした。
2人で少しテレビを見た後、ベッドに入って手を繋いで眠る。
「「おやすみ」」
幸せの目印『橙の光』
-FIN-
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