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感情のコントロールも大分できるようになったと自負したときに、思い切ってずっと行きたかったカフェに足を運んでみた。 そこは本がたくさん置いてあって読書カフェと呼ばれている所だった。 みんな本を読んでいて静かだし、とても居心地がよかった。 それからは何度か通って、気分もよかった。 「1人?」 「・・・え?はい。」 俺に話しかけたのか。 「俺もその本好きで、ちょっとお話ししてもいい?」 「・・・ああ、どうぞ。」 なれなれしいな。 勝手な偏見だがここには似使わない、ちょっとチャラそうな人。 あまり関わらない方がいいかもな、彼、黒だ。 それから30分ほど、この本に対して語り合った。 見た目とは反して、しっかり本を読みこんでいる印象だった。着眼点も面白い。 こうして誰かと、趣味に関して話すのは久しぶりだったので気分は上がってしまい、帰る頃には楽しいのに涙が出てしまっていた。 ほんとめんどくさい。 次にカフェに行った日、彼は先に来ていた。 いつもならこんな事しないのに、なぜか俺は彼の分のコーヒーと自分用のコーヒーを2つ頼んで、彼が座る窓際の席に向かって歩いていた。 「失礼。」 「はい、あ!この前の。」 彼は少し驚いたように振り返る。 「久しぶりだね、これ飲んで。この前楽しかったから、お礼。」 「いいですって!俺が勝手に声かけたんですから。」 「でも、君のカップも空だし、俺は2杯も飲めないからもらってくれると助かるよ。」 俺は押しつけるように無理やりお礼を受け取らせた。 「・・・じゃあ。ありがとうございます。」
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