優しい牙をつきたてて

4/9
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 「新郎さん、準備出来たそうですよ」    インカムから連絡を受けたのだろうスタイリストさんが、仕上げの小花を編み込んだ髪に差し込みながら私に囁いた。散りばめられた白い花。ふわふわの髪。ああ、本当に早く。  「鳳牙に見せたいなあ……!」  私は胸の前で指先を合わせ、自分の晴れ姿に微笑んだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!