146人が本棚に入れています
本棚に追加
強引に見えてすごく優しい。その加減が絶妙で、女の子の扱いにすごく慣れている感じがする。テオはいったい何人こんなふうに抱いてきたんだろう。想像したら、嫉妬で胸がモヤモヤした。
これに比べたら、僕が名前を間違えたことなんてたいしたことじゃないじゃないか。
「……ねえ、僕のこと好き? 何番目に好き?」
「はっ? 何番目って何?」
「いままで付き合った人の中で、何番目?」
そう聞くと、テオは何だか困ったような情けないような顔をした。
「不安なの? ミカ」
「……だって僕、男だし、人間じゃないし、見た目は割と美形だけど、中身は二百歳の爺さんだし」
するとテオは、はああっと大きく息を吐き、僕の首筋に顔を埋めた。その息が熱くてくすぐったくて気持ちいい。
「それをぜんぶ差し引いても、ダントツでミカが一番。こんなに本気で好きになったのはじめて」
うっそぉ。そんなこと言っちゃうんだ。好きになったら誰にでもこんなふうに言うのかな。それとも本当に僕が一番?
「……ぼ、僕の何が、そんなに」
尋ねると、テオは顔を上げ、うーんと唸った。
「そう言われるとよくわかんないけど、ミカのやることなすこと、全部ツボ」
「……や、やることなすこと?」
「偉そうなくせに何にもできないとことか」
「それって、悪口じゃないの……!?」
拳を振り上げると、テオが手首を掴んで、そのままベッドに押しつけた。
最初のコメントを投稿しよう!