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テオの囁きが、耳の奥に甘ったるく響く。
ああもう、どうしよう。どうしようもなくテオが好き。久しぶりにオーギュに会ってみて、ちゃんとわかった。僕が好きなのはテオだった。優しくて、面倒見がよくて、一緒にいると楽しくて、その笑顔と大きな背中にいつも全身全霊で甘えてた。
「……好き。テオの手の中で溶けてなくなっちゃいたいくらい好き」
「うっわぁ。ずいぶん歯が浮くような台詞を言うね」
「何だって言うよ。テオが好きなんだって、ちゃんとわかってもらえるなら」
テオが困ったように眉尻を下げ、僕のくちびるに軽いキスを落とした。
「俺も、大人げなく意地悪してごめんね。嫉妬で暴走した」
「うん。もう意地悪しないでね」
そう言うとテオは、にやりと口角を上げた。
「いや、今夜は……もうちょっと、するよ?」
えっ?っと思った瞬間に、身体をひっくり返された。テオが僕の腰を掴み、軽く持ち上げる。
「テ、テオ? ……な、何す……ひゃっ!」
ぬめった刺激が、下半身に走った。慌てて身体をよじり確認すると、テオが僕のあんなところに顔を埋めている。顔ということは、この感覚はたぶん――舌だ。
小さく声を漏らすと、テオが顔を離した。
「ミカ、ちゃんとわかってる? 男同士ではここを使うの」
まぁ、それは、何となく。でも――そんなところを舌で舐めるなんて!
「――テオ、でも、ちょっと、そこ、汚いし」
「全然汚くない。むしろきれい。ミカ、二百年ここ使ってないでしょ」
そう言われると、そうだった。
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