〈おまけ〉パリの中心で愛を叫んだ夜の、甘〜いお仕置き

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 その言葉が嬉しくて、身体から力が抜ける。少し呼吸が楽になり、その硬さがさらに奥へとたどり着く。  テオが身体を軽く揺すった。その刺激が甘く、鈍く、腹の奥を貫く。押し寄せる快感に無防備に身を預け、高く鳴いた。 「かわいい、声。コウモリのときみたい」  耳元にかかるテオの甘い息に、肌がぞわぞわと粟立つ。 「ねえ、ミカ。俺のところにいてね。これからもずっと、俺のミカでいて」  はじめて手に入れた幸福に、頭の芯がぼうっとする。このままずっと夢心地のまま、この腕に抱かれていたい。 「……ねえ、テオの顔、見たい」  そう言うと、テオが僕の片脚を持ち上げ、繋がったまま僕の身体をひっくり返した。離れないように、両脚をテオの腰に絡め、両手を首の後ろに回す。 「……いいよ。これからもずっとテオのミカでいる。欲しいだけぜんぶ、テオにあげるよ」  うっわぁ、とテオが声を裏返し、慌てて口元を押さえた。 「……ミカは俺を殺そうとしてるの?」 「殺す? そんなにたくさん血、吸ってないでしょ」  言い返すと、テオの肩がぷるぷると震え出す。 「何笑ってんの! こっちは真面目に話ししてんのに! 怒るよ!」 「……お、お前はぁー! 天使みたいな顔していつも素っ裸だし、うっかり者で泣き虫で甘えん坊で、エロい上に天然かよ! どれだけ詰め込めば気が済むんだ! いい加減にしろよ!」 「何でテオが怒るの!?」 「怒ってない! 褒めてるんだ!」
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