第一章〜日常が崩れる音〜

2/22
前へ
/111ページ
次へ
 ピピピッ!ピピピッ!  寝覚まし時計の音で意識を覚醒する俺。手で寝覚まし時計で探し停止ボタンを押す。  時計の時間はPM:6:30と出ており瞼を閉じる。 「んー・・・・・二度寝してぇ〜」  俺の名前は紗信善夜(さやの ぜんや)。高校生二年で、まぁ一人暮らしをしている。高校生のくせに一人暮らしって?まぁ個室の寮生活みたいなものに近いぞ?だって隣の部屋は同じ高校に通う同級生だ。 「しゃあない起きるか〜」  布団を殴り半分に折りその布団を蹴り上げる。その隙に俺はベットから抜ける。 「よしっ!さっきので寝れなくなったな!」  ではリビングへ〜と足を動かしたその時。  ガンっ! 「痛ったぁぁぁぁぁぁ?!」  何かを小指にぶつけたのだ。  何にぶつけたんだ俺?  視線を向けると床に古い鞘に納められた刀が置いてあった。  え〜?こんなオンボロな刀俺持ってたっけ? 「んんー??盗んだ俺?」  契約銃刀法違反なのでは?刑務所にぶち込まれるのでは? 「おやや〜、見なかったっ、小指をぶつけなかったうん!何も起こってない!よしっ!」  学園に行く準備しますか!  台所に行き昨日作った食事をレンジでチンをしリビングに持ってく。  俺の部屋?家?いやアパートで一人暮らしている。    1LDKで広々として一人で住むのに広い部屋だ。  ホームシックなっちゃうよ、俺。 「まぁそんなさておき、作りますか〜」  そんなことを考えいるうちに食べ終えて弁当箱の準備をする為エプロンを身につけてテレビを付ける。  コトコトとグツグツと作る。  今日は、軽めの料理でいいか。  卵焼きや鶏肉、野菜炒めを弁当箱に入れる。  おにぎりーニギニギ♪  おにぎりを六つ作り具材はツナやカツオ、鮭にする。  目線をテレビに向けると蛾のニュースキャスターから別のニュースキャスターに変わる。おお?指名手配犯?? 『——速報です。井伊克也(いい かつや)28才が逃走して10日目で警察は全勢力で探索に当たっていることです。警察からは井伊克也の顔写真と賞金を掛けています、迅速な対応の為もし井伊克也らしき人物がいたら警察へと連絡して下さい。 次のニュースです。』 「おやおや?こんな事になってるのか?」  井伊克也は幼児連続殺人犯でその計画性、残虐性、狡猾さで刑務所に入れられていたが何者のかの手引きにより脱獄しまた幼児に手を掛けた犯罪者である。 「はぁー、同じ種族のクセに犯罪か、このロリコン殺人野郎め!死んどけ!」  愚痴をいいながら弁当箱に詰め終えバックの中へ入れ終えエプロンを畳み終えた。何となく窓の奥を見る。  空は快晴。  だが妙な快晴だ。 「おやおや?不吉な匂いがするねぇ〜、って師匠の口癖が」  くっ!おやおやの口癖が移って直そうにも直せねぇし。  気を取り直し今日の時間割を思いな出しながらバックにジャージを入れる。  時計を見ると7:20を指している。 「もう出るか」  バックを持ち複数のカギをポケットに入れてスマホもポケットに入れ下駄箱入れの下から折り畳み式の自転車を取り出し掛けてある鞘に入った刀をバックに付けてズレないか確認を取る。  ドアを開けて自室を出る。 「いってきまーす」  キーーー、ガチャン!ガチャ。  この音が、ドアを閉める音が、日常を崩した。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加