おやすみ

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 僕は一年生のとき、目立とうとして弁当に刺身を大量に詰めていった。すると、気持ち悪がる生徒もいたが、笑っている生徒もいて、ある程度予想通り目立つことができた。笑ってくれた生徒の中で友達もでき、僕は相変わらず毎日弁当に刺身を詰めていった。刺身を買うためにバイトもした。友達は「それ、もういいんじゃね?」と言ってきたりもしたが、止めないことが面白いと思っていた。  ある日、僕は魚をそのまま持っていって捌いてみんなに振る舞おうと思ったのだが、それが異臭騒ぎなってから、さすがに周りの見る目が変っていたことに今になって分かる。おまけに、捌くために持参した包丁で謹慎処分となり、その後、友達や周りの生徒たちは僕と話すのをだんだんとやめていった。それから僕は今まで無視され続けてきたというわけだ。
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