Something Blue〜結婚禁止法

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 彼女は、女性の社会進出を掲げ、先の大統領選挙で大勝した。そして、彼女自身も未婚だった。閣僚の半数以上が女性、同じく皆独身だった。 「キャリアと結婚を両立させるってのは、ホント難しいのよ」  大統領はため息をついた。新鮮な空気を求め、彼女は窓を開けた。何やら外は騒がしい様子。 「あれは、なに?」 「デモでございます」 「デモ?穏やかならぬ話しね。いったい誰がなんのために?」 「LGBTの人々が『同性結婚を認めろ』と」 「まあ!同性愛者だけは結婚したがってるってこと?彼らにとっても結婚しちゃったら、砂を噛むようなものでしょう?」 「ですが、我が国では彼らは結婚できません。禁じられている限り、儚い夢を持ち続けるのです」
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