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一秒で会社を出て、今日は珍しく、知る範囲で会社から一番遠いコンビニで、タバコを買った。大学生ぶりに、どうしても吸いたくなった。メビウスの8ミリ。その時の元カレが吸っていたタバコだった。コンビニの前の喫煙所で火をつけると、懐かしい香りが私を包んだ。
その途端、私は泣き崩れてしまった。限界だった。今にも消えてしまいたかった。この涙は、安住さんへの謝罪の涙ではなく、愛子ちゃんたちに選ばれなかった辛さから来ていることが分かると、みんなに泣いて謝りたくなった。ごめんなさい、私はほんとはこんな人間じゃないの、わかって、でも、ごめんなさい、本当にごめんなさい。と、今にも叫びだしたかった。どこか遠く、今すぐに、誰も知らない、誰にも知られない場所に行きたかった。安住さんと、今すぐしゃべりたかった。
こんなにもダサく、最悪な私に、元カレと、当時の私は優しく微笑みかけてくれているような気がして、私はそのまま、近くのバーに向かった。
暗い路地を一本入ると、思いのほかおしゃれなバーにたどり着いた。『シュリンプクラブ』という名のその店は、ちょうどいい狭さで、薄暗い雰囲気だったので、その店に決めた。
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