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そういうと彼女はきらりと笑った。その笑顔はとても華やかで、酸いも甘いも経験してきた人にしか出せないような影を残した。私もそんな笑顔ができるようになりたい、と思った。
「王子様……、私のことを、私自身で肯定してもいいんですかね……?」
私は甘えるように、恐る恐る聞いた。
「不安?」
「いや、まあ、今の私を肯定してしまったら、ずっとクズのままなんじゃないかって……。」
このまま成長せず年を取った私を想像すると、震える。今でも十分一人さみしく生活しているのに、このままだと本当に孤独になってしまうんじゃないだろうか。昔大学で、孤独死やホームレスについて勉強したが、私もそうなってしまうんじゃないだろうか。と、時々考えてしまう。
彼女はそんな私を優しく見つめ、「じゃあ、運命を変える魔法を教えてあげる。」とつぶやいた。運命って、変えられないから運命なんじゃないのか。
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