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愛子ちゃんたちが話しかけてきた。
「芽衣子ちゃん、大丈夫?」
「う、うん。ごめんね。私のせいで、企画書作り直しになっちゃって。」
私はできるだけ気丈にふるまいつつ、甘えるようにそう言った。
「別に大丈夫よ。」
愛子ちゃんは、意外とさらりとしていた。少し、安心した。
「ほんとにごめんね、次は絶対ないようにするから、」
私がそう言い終わる間もなく、愛子ちゃんが口を開いた。
「あ、そういえば芽衣子ちゃん、今年の箱根旅行、なつきちゃんとめるちゃんと行くから、芽衣子ちゃんはお休みしてもらえる? ごめんね。」
え? 息が詰まった。コンマ一秒、呆気にとられ、目の前が真っ暗になった。たちまち愛子ちゃんたちに責められている気分になった。同期に責められるのが一番、何よりきつい。心臓が雑巾のように搾り上げられる。私の顔は捻じり切られる。いや、だめだ。顔に出すな。顔に出すな。
「え、あ、うん! 全然大丈夫だよ!」
「ごめんね。じゃあおつかれさま~。」
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