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人気のない家の前を通ると、ふらふらっと足が動いてしまう。 2、3年前からだ。「あ、静かな家だな」と思ったらいつの間にか柵を乗り越えている。
気が付いたら窓を割っている。
ハッとしたら靴のまま絨毯の上にいる。
正気に戻ったらポケットに札束やカード、小銭が入っている。
ラッキー。
そんな家々を耕平はオミセと名付けた。
「無意識に」オミセに入る。そうやって生計をたてることにしてから、耕平は会社を辞めた。
足がつかないように、わざわざ電車やタクシーを使い、オミセを探しにいく。
オミセを決めたら、何日か前に下見をするのも忘れない。
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