ばあさん

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 〈 ……やばいか?〉  ポケットに忍ばせてある、携帯ナイフに思わず手を添えた。  その時だった。  部屋が光った。ばあさんの顔が一瞬目に入ったと思うと、ゴロゴロゴロと轟音が耳を貫いた。  一瞬見えたばあさんは笑っていた。  雨が、窓を激しく叩いていた。その中で、なぜかばあさんの小さな声がはっきりと聞こえた。 「まあまあまあ。お茶でもどうぞぉ」
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