ばあさん

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  そうして、いつのまにかばあさんと居間でちゃぶ台を挟んで座り、緑茶を入れられ。  耕平は、ただ呆然と座っていた。   「いやね、あんたを見た瞬間、思い出したのよ」    ばあさんは、涙を両目いっぱいに溜めながら耕平を見つめた。目じりに皺を寄せている。泣きながら笑っていた。長い間探していたものをやっと見つけたような目だった。  ばあさんの後ろの仏壇が目に入った。 位牌が黒ずんだ骨のようにあった。  耕平は、自分より少し年下の青年が写っている写真を見つけた。  仏壇の主を、なんとなく察した。  「息子さんを?」 ばあさんは、耕平の言葉には答えなかった。両手で湯飲みをくるむと、お茶をズ、と一口飲んで息を吐いた。
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