若旦那の恋は千鳥足

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「そういえば、あんたら、新婚旅行はいつ行くん?」 「それが、今はまだ忙しくて…」 「まぁ、そらそやろけど、仕事優先にしてたら、どんどん遅なるえ。」 「ほんまやで。早いとこ旅行に行って、あんたらもハネムーンベビー作らな。」 「え?ということは、おたくらもう赤ちゃんが出来たん?」 「はい!」 麗華さん、すごく嬉しそう。雅彦さんも笑ってる。 幸せそうだなぁ。 「そら、おめでとう。 おたくら、美男美女やから、どっちに似ても可愛いやろねぇ。」 って、お義母さん… その言葉、ちょっと引っかかるんですけど。 まぁ、確かに、私に似たら、残念な結果にはなるだろうけど… 「ひとみさん、あんたも食べや。」 「は、はい。」 カニサラダを取り分けて、食べようとしたら、なんだかすごく気分が悪くなって… 「ひとみさん、どうかしたんか?顔色悪いで。」 私はあまりの気分の悪さに、答えることすら出来ずトイレに駆け込んだ。 どうしたんだろう? 今日、早起きしたせい? 疲れてたのかな。 確かにそういえば最近少しだるかったみたいな… 「ひとみさん…もしかしてて、あんた…」 「え?」 「おめでたちゃうの?」 「え、えぇ~~っ!?」 お義母さんのその言葉は、後日、正解だったとわかったのだった。 ~fin.
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