プロローグ

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プロローグ

ーヒュー、ドカン と大きな音を立てて上がる大きな花。 「今年も花火が綺麗だな〜」 と僕の隣りで微笑んで言う僕のおじいちゃん。 …花火、か…。今年も花火の上がる季節が来たんだな。 僕の目に沢山の花火で広がっていく。 「本当、花火綺麗だね。おじいちゃん」 僕はふっと息を吸い込み言った。自然の広がる大きな丘の上。僕は未だにおじいちゃんと一緒にお祭りに来た。このお祭りは僕の住んでいる市の中でも大きなお祭り。 おじいちゃんはここの役員で、毎年お祭りの経営を営んでいる。おじいちゃん。 そんなおじいちゃんが僕は大好き。 すると僕の右からフワッと爽やかででも甘いような不思議な感覚のする匂いが漂った。僕は同じくらいの浴衣を綺麗に着こなした女の子が通ったような気がした。 僕はそっちに顔を向けた。そこには小さい子連れの親子家族が見受けられるだけで、もうあの子香りはなかった。 これが僕のあの夏の出来事。僕にとって重要な出来事になるとは思ってもみなかった。
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