17人が本棚に入れています
本棚に追加
「‥‥、亜紀子さん」
「はい」
「私と‥‥」
「‥‥、はい」
「‥‥、お付き合いして下さい!」
「えっ?‥‥」
突然の告白に驚きを隠せず、どう答えていいのかわからないまま言葉を探していた。
「勿論、今直ぐに返事を聞かせてとは言いません‥‥、真剣に考えて貰えませんか?」
「……、はい、わかりました」
……、嬉しかったんだ。
……、涙が瞼の裏まで迫っていた。
……、瞬きすれば大粒の涙が溢れてくると、感じていた。
「一つ聞いてもいいですか?」
「はい、何でも聞いて下さい」
私は、会ってまだ二度目なのにと、身寄りもない、何の取り柄もないおばさんなのにと、智彦さんの人柄と次期社長ともなる人が独身であるという、ずっと引っ掛かっていた事を聞いたんだ。
智彦さんは私の質問にゆっくりと答えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!