死婚

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 それから一週間が過ぎた金曜日のお昼休みに智彦さんからメールが届いた。  急で悪いけど今晩空いてますか?  もし都合が良ければ食事でもと思って  勿論、私はオッケーの返事をした。    仕事を終えて、待ち合わせの駅前に急いだ。  秋が目の前に迫っているのか、夕方の風が少し肌寒く感じた。  「急に予定して悪かったね」  「いえ、ガラガラでしたから」  「あはは、ガラガラかぁ‥‥、あなたに逢いたい気持ちを中々抑えきれなくてね」  智彦さんの言葉に驚いたと同時にストレートな人なんだと勝手に思い込んだ。  「食べたい物ありますか?」  「特には、お任せします」  智彦さんの背中を眺めながら近くの小料理屋へと入った。  「あまり店を知らなくて、此処で大丈夫ですか?」  「あっ、はい、全然大丈夫です」  こぢんまりんとした小料理屋の一番奥の座敷に陣取った。  「あらっ、鈴木さん今日はお連れさんと?」  「えぇ、まぁ‥‥、取引先の方です」  割烹着姿の女将さんらしき人がおしぼりとお茶をテーブルに置きながら智彦さんに聞いてきた。  「直ぐにお通し持ってきますね」  「生を二つお願いします。後は女将に任せます」  女将さんは笑顔で座敷を後にした。
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