推しの結婚

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 やっぱりコロナ禍だったので、配信中心の活動ではあったけれど、チェキ販売もあって、推しがコメントを書いてくれたチェキは宝物だった。スマホに挟んだそれを仕事に持っていき、疲れる絵たびに押しを見て元気をもらった。  側から見れば気持ち悪いオタクだという自覚もあった。それでも。  私にとって、推しの笑顔は最高の精神安定剤で、睡眠導入剤だった。  いなくなればどこに向かって歩けばいいかわからない。そんな存在だった。  だから。  あんな日が来るなんて、想像もしてなかったし、想像したくもなかった。
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