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キラキラと不器用に輝く彼女の光は眩くて、だけれどとても優しかった。舞台の真ん中に立つ彼女は、まるで世界の中心に見えた。
他にも可愛いキャストはいっぱいいたのに、私には彼女しか見えなくて。まるで世界は彼女が作ったんじゃないかという錯覚に襲われるぐらいに、私は彼女だけをじっと見つめていた。
舞台が終わると、それぞれのグッズや物販に並んだファン達があちらこちらにいて。
初めて配信画面越しでない彼女を目の前に見た。嘘かと思った。これは、現実なのかと体が震えた。
映像よりも生々しく存在感を感じる彼女を見て、私は呆然と立ち尽くした。
他のファンの子に誘導されるように、彼女に語りかければ、彼女は女神のように私に舞台のセリフを語りかけてくれた。
白昼夢の中にいるような、足がふわふわしそうな気持ちで、私は名残惜しそうに手をふりながら、去っていく彼女を見た。
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