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 少子高齢化に歯止めをかける為、『子育て支援金』というものを子ども一人につき、一年毎に十万円が国から支給される事となった。その為出生率は一気に増えたが、数年後には支給額が減った事と、税金が上がった事が原因で、『子育て支援』制度導入から五年後の出生率は、制度導入前と変わらない程度になっていた。  出産に至るには、そもそも結婚率を上げなければならない。と考えた政府は、新たな婚姻制度を導入した。  それが『見合い婚』制度だ。  これは、結婚を希望する当人同士でする必要の無い見合いで、そのまま婚姻が成立するというものだ。  つまり、当人の親がその見合いで勝手に相手を決めて、その場で婚姻することも、認められるようになったのだ。その為、当人が知らない内に婚姻するという意味で通称『不知婚(ふちこん)』とも呼ばれていた。  もし婚姻後の生活に問題があった際は、当人同士で離婚ができる。  その制度ができて暫くは、あまり流行らなかったが、某有名俳優と有名女歌手がその制度で結婚し、幸せに暮らしていると言うニュースが流れたお陰で、一気に『見合い婚』は流行り、今では数人で集まって見合いする『集団見合い婚』というものまで出来ていた。  
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