星越えて君想う

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   あの後、しばらくして、私の中に新しい命が宿っていることを知った。  これはきっと、アイラからのプレゼントだ。そう思った。  産まれてきてくれた女の子に、私は『愛星(あいら)』と名付けた。  彼女はすくすくと成長して、やがて星に興味を持つようになっていた。  私は今夜も、愛星と共に、星空を見上げる。 「ねーねー。パパ、どこにいるかなあ」 「そうだねえ。どのお星さまか分からないけど、パパはこの宇宙(そら)の中に絶対いるよ」 「ほんと?」 「うん、だから今日もパパに『好きだよ』って言おうね」 「うん! パパすきー!」  遠いけれど、いつでも目の前に広がっていて、私たちを見守ってくれている。  この数え切れない星の(またた)きに、あなたの想いを感じる。あなたの笑顔が見える。  あなたを近くに感じた時、私の胸はあたたかくなる。 「好きだよ……」  見えていますか?  あなたにこの声は、私の笑顔は届いていますか?  どうか今日も、あなたが笑って空を見上げていますように。  この宇宙(そら)であなたと繋がっているから、私は今日も、笑って生きていきます…………。
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