2話 ひとつめのヒミツ

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「じゃーん!!」 「これ、は」  もしかしても、もしかしなくても。  「魔法のパンツ!」  どう見てもそれは紙おむつだった。  固まるあたしに、アース王子は自分のパジャマのズボンを下げて見せた。 「ほら見て、ぼく、コレを履いてからベッド汚さなくなったんだよ! すごいでしょ!?」  まばゆい笑顔のアース王子はとても嬉しそうで。 「これ、ユメカにもあげるね! グッスリ眠れて最高だよ!」 「え、あ、うん」  あまりも嬉しそうなアース王子を前に、断ることもできず。  あたしは紙おむつを手にする羽目になった。そりゃ、家ではいつもしていたけれど。 「ありがとう、アース王子」  とりあえずはお礼を言い、あたしは部屋に戻った。あたしだけじゃないんだ。そう思うと自然に口元がゆるんだ。
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