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「君の名前は?」
「夢花。桜田夢花、です。12歳です」
「ユメカ。ぼくの名前はアースだよ。おんなじ12歳だよ! よろしくね」
爽やかで甘い声優さんみたいな声で、アースくんは言った。
「うん。よろしく? なのかな。えっと、アース、くん?」
「そう。この国の王子なんだ。よろしくね」
やっぱり、アースくん、いや、アース王子は王子様らしい。だよね。見るからにそんな感じだもんね。納得しかしない。
「みんなが待ってるから、おいで」
「? みんな?」
みんなって、誰のことだろう? ここに、仲間がいるの? 異世界に来たのは、あたしだけじゃないのかな?
この不思議な世界に、知ってる人がいたらどうしよう。また、あのことでからかわれるんじゃないのかと思うと、ズボンをぎゅっとつかんでしまった。
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